ハリルホジッチ監督の戦術にマッチしそうな長澤
攻撃的なポジションならどこでもこなすが、左ウィングがメインになるため武藤嘉紀や宇佐美貴史とポジションや役割が重なる部分もある。それでも持ち前の個人能力に加え、ハリルホジッチが重視するハードワークの部分で意欲的な姿勢を見せており、早いタイミングでテストしてほしい選手の1人だ。
またFWの大迫勇也と共にケルンの1部残留を支えた長澤和輝も初めて代表に選出される資格は十分にある。開幕当初は大きなケガに見舞われたが、復帰してから持ち前の運動量と高速パスを発揮し、中盤にダイナミズムをもたらしている。
シャルケ戦では左サイドからDFラインの裏に鋭く飛び出し、折り返しで決勝点をアシストした。中盤ならどこでもこなせるマルチロール性があり、時間帯や状況に応じて攻撃的にも守備的にも振る舞えるため、全員守備・全員攻撃の機能性を高めるバイプレーヤーとして重宝されるかもしれない。
ブラジルW杯のメンバーでもある柿谷曜一朗はバーゼルでなかなか出番が得られず、リーグ戦でフル出場2試合、3得点というのは寂しい限りだ。しかし、3月のバックアップメンバーに選ばれたことでも分かる通り、ハリルホジッチ監督が求めるDFラインの裏を狙うプレーで力を発揮できる選手だ。
そのため欧州リーグがオフになる今回は招集の好機と言えるが、その場合もストライカーとしての姿勢など、多くの課題が突きつけられるのではないか。その意味ではU-22代表の南野拓実(ザルツブルク)や久保裕也(ヤングボーイズ)も対象になってくる。
とにかく言えることは当面、公式戦や国内外の親善試合、代表候補合宿、五輪予選との兼ね合いなど、スケジュールを見ながらできるだけ多くの選手にチャンスを与える意向が強く表れる選考になるはず。
選ばれた選手は他の代表選手と競争、アピールしながら今後の成長のための刺激にして、選ばれなかった選手も腐ることなくクラブの勝利のために献身することが重要だ。代表定着の道はその先に続いているのだから。
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