クラブで存在感を増している原口
前回はケガで離脱した興梠慎三(浦和)も調子を上げており、また代表候補合宿では日程の都合から選出対象から外れた柏と湘南の選手にも有力候補はいるはずだが、東アジアカップでの招集も視野に入れながら、バランスを考えて今回のメンバーを絞り込むはずだ。
ハリルホジッチ監督は4月18日から約3週間に渡り欧州を視察し、5月9日に再来日した。主には3月に選ばれたメンバーと直接会い、自ら2本の高級ワインを振る舞うなど交流を深めたそうだが、欧州でプレーする選手の情報を精力的に収集したという。
その中にはアギーレジャパンでも招集経験のあるポルトガルの田中順也(スポルティングCP)に加え、ブンデスリーガ2部で活躍する山田大記(カールスルーエ)やルーマニア1部のアストラで中心選手として定着し、ヨーロッパリーグの本戦でも印象的なプレーを見せた瀬戸貴幸なども入っていると見られる。
また欧州組ではないが、3月の発表でバックアップメンバーにリストアップされた豪州の高萩洋次郎(ウェスタン・シドニー)なども今回の選考の対象になってきそうだ。
そうした中でもハリルジャパンで初選出の期待が高まるのは原口元気(ヘルタ・ベルリン)だ。ザックジャパンでは若手の中でも多くのチャンスを与えられながら定着できず、ブラジルW杯のメンバーからも漏れた原口は、ドイツに移籍したばかりの昨夏に肩関節を負傷したこともあり、アギーレ前監督から一度も呼ばれなかった。
言葉の問題もあり難しい時期が続いた様だが、解任されたルフカイ前監督に代わってヘルタの暫定監督に就任したダルダイに実力を買われ、熱心な対話や指導によって機動力や守備の意識が高まり、継続的に起用されることで、試合でのパフォーマンスも着実に向上していると見られる。
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