指揮官としての資質は否定するべきではないインザーギ
そして、不調時には自陣右サイドで守備に奔走していた本田は、ローマ戦から敵陣でのプレー割合が急増し、右から中へ侵入する動きも復活。結局、得点こそ6点から増えなかったものの、ここ4試合はほとんどの得点に絡んでいる。
このアタランタ戦でも2点目につながる動き出しを見せるなどチームの勝利に貢献し、データサイト『Who Scored.com』のレーティングで7.2点と高い評価を与えられた。
全38試合を終えたミランの成績は、13勝13分け12敗の勝ち点52で56得点50失点。かつて世界最強を誇ったクラブだけに、この数字はここ10年で最低の成績ではあるが、下手をすれば連戦連敗で完全にチームが崩壊しかねなかった終盤で逆に持ち直して、全てをプラスで終えることができたことは評価されるべきだろう。
2012年まで現役としてプレーしていたフィリッポ・インザーギはまだ41歳。トップチーム監督としてのキャリア初年度は辛く長い1年となったはずだが、決して「資質がない」とは言えない。
よりプレッシャーも少なく、周囲からのバックアップが期待できるクラブでじっくりと取り組むことができれば、将来は優れた指揮官の1人となる可能性も十分にあるだろう。
何より、若い選手以上にスタイリッシュにスーツを着こなす“サッカー史上最高のハンサム指揮官”をこのまま埋もれさせるのはもったいなさ過ぎるのではないだろうか…。
【了】