チームとしての機能性を失ったシーズン中盤
その結果、良くも悪くも個人技を多用するメネズにチームが依存。本田がアジア杯からチームに帰還する頃には、プレシーズンから積み上げてきたものを全て失い、チームとしての形は無と化していた。
多くの報道でもあるように、これらの主な要因はガッリアーニやベルルスコーニ親子にあるだろう。それでも、やはりそれを跳ね返せないインザーギの指揮官としての経験不足は痛かったと言わざるを得ない。
ただ、インザーギ監督が指揮官としての才能がないかといわれると決してそうではないだろう。
チームとしての機能性を失い、勝ちにも見放され、世界中のファンやメディアから批判を集め、来シーズンの新監督に話題が移る中で第35節ローマ戦から明らかにチームは息を吹き返した。
試合結果で見ると3勝1敗。サッスオーロ戦は2-3で敗れたが、決して内容は悪くはなかった。そして、スタッツを見ても多くの面で相手を上回る数字を残している。
この日に行われたシーズン最終節アタランタ戦では支配率56%(ミラン):44%(アタランタ)、パス本数406本:287本、アタッキングサードでのパス本数128本:128本、シュート数8本:15本。
シュート本数では下回ったものの、約半分の本数で3-1という結果を手にしたのは、逆に高い精度で攻撃ができていたということだ。