プラティニ氏(右)と握手をかわすブラッター会長【写真:Getty Images】
現職副会長を含む幹部複数が逮捕された汚職事件を抱える国際サッカー連盟(FIFA)は29日、第65回総会で会長選挙を実施し、現職のゼップ・ブラッター氏が5期連続当選を果たした。
ブラッター氏は、1回目の投票で133票を集め、新任を目指すヨルダンのアリ・ビン・アル・フセイン王子の73票を大きく上回る得票数を獲得。両名とも過半数に至らなかったため再投票となったが、2回目の投票を前にアリ王子が辞退し、ブラッター氏の再選が決まった。
アリ王子を支持した欧州サッカー連盟(UEFA)のミシェル・プラティニ会長は、FIFAの大規模な汚職問題が明るみに出たことで、総会の前日にブラッター会長と1対1で会い、会長選から身を引くことを要求した。しかし、ブラッター会長はこれを拒み、自身の指導のもとで組織を立て直すと主張した。
選挙後、スイスの地元TV局のインタビューに答えたブラッター会長は「私に対する憎悪は一部の人間だけではなく、組織全体からきているようだ」と話し、「全員を許す。しかし、忘れることはないだろう」と反逆したUEFAに意味深なコメントを残した。
また、汚職事件の一斉捜査に関しては「7名のFIFA幹部の逮捕は、米国警察の指示の下、総会を妨げるために行われたと疑っている」と陰謀説を語り、同会長を批判する評論家に対しては「悪口を言う人間は、悪口を言う性分だ」と強く非難した。
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