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香川真司 9年前

時代の行方を賭けた一戦、香川は先発へ。クロップ体制の集大成「奪われたら奪い返す」。その中心として

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「ゲーゲンプレッシング」は「ドルトムントでの魔法の言葉」

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香川真司【写真:Getty Images】

 4-3-3の場合、【MF】と【FW】の間で相手にスペースを明け渡してしまう恐れがある。またデ・ブルイネを中心として今季72得点とリーグ戦で2位の数字を残した攻撃陣に対するという意味でも、馴染んだ4-4-2で守備ブロックを形成した方が安定度は高いと言える。

 特に目立った怪我人の情報もなく、当日の先発メンバーは概ねキッカー紙の予想通りとなるだろう。【GK】がバイデンフェラーではなくてランゲラクとなること以外は、ブンデスリーガ最終節のブレーメン戦の先発のままである。

 ブレーメン戦で1G2Aと結果を残し、件の4-3-3でもトレーニングに入っていたことを考えれば、香川の先発は揺るがないところだ。突発的なアクシデントでもない限り、3年ぶりのポカール決勝の舞台に立つだろう。

 果たしてドルトムントは時代を譲るのか、それともクロップの最後に花を添えて、新シーズンで再びNo.2の座を奪いに行くのか。

 キッカー紙は「ゲーゲンプレッシング」のことを「ドルトムントでの魔法の言葉」と記した。そして今ではドルトムントの代名詞となった戦術について、かつてクロップが残したコメントを紹介した。

「ミスパスは、全くミスパスではない。そうではなくて、ゲーゲンプレッシングへの誘いなのだ」

 奪われたら、即座に奪い返す。それがボルシア・ドルトムントだ。

【了】

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