メルボルンVの優勝で幕を下ろしたAリーグ。しかしシーズンオフには…
さらには、右サイドのウィングポジションでは現役ニュージーランド代表のコスタ・バルバローシスが快足で相手守備陣をかく乱。得点力の高いMFにも、フランス生まれの元チュニジア代表のファヒド・ベン・ハルファラー、ブラジル人技巧派MFギー・フィンクラーら質の高い外国人選手が多くのアシストと得点を挙げ、攻撃陣を支えた。
彼らの背後をマーク・ミリガン、カール・ヴァレリという新旧サッカルーズのボランチコンビが、しっかりとケアしていたことも忘れてはならない。
現役時代から凄まじい闘志で知られる熱血漢ケビン・マスカット監督は、持ち前のリーダーシップとその気性とは裏腹の的確な判断力で、リーグ随一の戦力を確かな結果へと導いた。観客動員ではリーグ最高を誇ってきたメルボルンVだが、今季の完全優勝で名実ともに豪州最大のビッククラブとしてのステータスを確たるものにした。
毎年、シーズンオフになると選手の色々な移籍話が出てくるのは洋の東西を問わないサッカー界の常であり、醍醐味のひとつでもある。しかし、シーズンオフに毎年のようにどこかのチームの経営難や内紛が取り沙汰されるのは決して楽しいことではない。このオフは、その楽しくないニュースが早々に2つも飛び込んできて、いつも以上に騒がしい。
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