あるJクラブの不満「運用がきつすぎる」
2014年度は黒字でも過小資本状態にあるマリノス(100万円)とグランパス(3800万円)も、今年度で多額の赤字を計上すれば債務超過となる。マリノスが今年いっぱいでマリノスタウンから練習拠点を移転させる決断に至ったのも、年間5億円とされる維持費が経営を圧迫していたからだ。グランパスは昨オフにも、元日本代表FW玉田圭司(現セレッソ)との契約更新を見送っている。
2014年度で当初の見込みを大幅に下振れする赤字(9500万円)を計上し、1700万円の債務超過に陥ったJ3のガイナーレ鳥取は、来シーズンのJ2ライセンス取得が不可能となった。サポーターへの説明会で、岡野雅行ジェネラルマネージャーはこんな言葉を残している。
「現行のルールでは地方のクラブを潰そうとしているようにしか思えない」
クラブライセンス制度への不満を訴えたものだが、実際、あるJクラブの幹部も「制度そのものはあっていいと思うけど、運用がきつすぎる」とこう続ける。
「クラブをふるいにかけるものではないと言って始めた制度だけれども、実際にはめちゃくちゃふるいにかけている。身の丈に合った経営でよかった、などと言っていては、パイがどんどん小さくなっていってしまう。
各クラブが本気で投資をする気があるのかどうか。ひとつのチームがスイッチを入れればと思っていただけに、セレッソには結果を出してほしかった。ビッグネームを獲得したチームが降格したわけだから、無駄な投資をするものじゃないと思っているクラブは少なくないと思う」
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