「この業績は並外れて尊敬に値するものだ!」
「多くのチームの基本的なレパートリーになっている」とメッツェルダーが言うボールロスト時の守備は、バイエルン、レバークーゼン、ボルシアMGといったチームに見られるように、今では珍しいものではない。引いては相手チームの指揮官の守備戦術を向上させたと、元ドイツ代表のDFは考えている。
クロップの革新的なスタイルがブンデスリーガ全体の底上げに繋がったのか、CLでは13-14シーズンからドイツ勢は4チーム全てが季連続で決勝トーナメントに進出した。
こうしたクロップの7年間について、前バイエルン監督のハイケンスは「この業績は並外れて尊敬に値するものだ!」と賞賛を惜しまない。特にハインケスは「指導者層は結束しなければならないということの証明となった」と述べている。
例えば選手獲得の際には、ハンス・ヨアヒム・ヴァツケ社長、ミヒャエル・ツォルクSD、そしてクロップによる全会一致の原理が働くなど、この三頭政治はドルトムントを特徴付けるものでもある。
ハインケスは「他のクラブにとっての手本」とした。辞任会見にも3者で臨んだように、今でも結束は揺らいでいない。この「指導者層の結束」もまた、クロップの功績の一つと言えるだろう。
ドルトムントだけではなく、ドイツサッカー全体に影響を与えてきたクロップが「主役」となるポカール決勝は、間もなくキックオフとなる。
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