首位浦和追走へ。負けられない広島
首位追走へ3試合ぶりの白星を手にしたサンフレッチェ広島。執拗な広島対策の上を行ったのはエースFW佐藤寿人の“ミスマッチ”につけこんだ巧みな戦術眼だった。日本代表候補にもなった浅野拓磨など若手の台頭にも変わらず存在感を放つ理由は、ゴール以外でも貢献する佐藤の“頭の鋭さ”である。
ファーストステージ13節を前に首位の浦和と2位につけるG大阪より一試合多い暫定で3位につけていた広島。すでに、3敗(ホームで2敗)しておりここ2試合も勝ち星なし。ファーストステージの奇跡の逆転優勝へは背水の中、ホームでの新潟戦は勝利で上位へ喰らいつきたいゲームとなった。
一方、連敗で17位と降格圏に順位を落としてしまった新潟。レオとラファエルの“Wシルバ”を欠き、若きエースの鈴木武蔵も帯同せず。舞行龍ジェームズと小泉慶を警告累積は出場停止。苦しい台所事情でも、アウェイでの勝利で浮上のきっかけを掴むためにとった策はいわゆる“ミラーゲーム”だった。
今や、広島の代名詞ともいえる3-4-2-1はミハイロ・ペトロヴィッチ現浦和監督が広島に植え付けたもので、ACLではなかなかお目にかかれない変わったやりかただ(振り返ればJ2時代の2008年7節に高萩と柏木を両立させるためにできたシャドーありきの印象だが)。
【次ページ】“ミラーゲーム”を仕掛けた新潟