CL優勝をもたらしたアンチェロッティ監督までも…
その後、2013年6月にカルロ・アンチェロッティ監督の就任が発表された。初年度の昨季はリーグ優勝こそライバルのアトレティコ・マドリーに譲ったものの、コパ・デル・レイとCLを制覇し、二冠を達成した。中でもクラブ史上10度目のCL制覇“ラ・デシマ”は特筆すべき功績と言える。
満を持してのリーグ優勝を期待された今季は宿敵バルセロナに逃げ切られ、CLでは準決勝でユベントス相手に敗退するなど無冠が確定した。それを踏まえてアンチェロッティは今季限りでの解任となっている。
ペレス会長はその理由について「我々の歴史の一部となったが、皆さんもご存知のようにここで要求されるのは最高レベルで、新たな勢いが必要だ」と説明し、新監督を来週にも発表するとしている。
2度にわたるペレス政権は、今季で12年目を迎える。その間に監督交代は8度あり、9人の指揮官が登用された。いずれも退任理由は「成績不振」か、1シーズン職務を全うしていれば「無冠」である。
数多くの指導者の首を短期間で挿げ替えながらも好成績を残せるのはチームの財力のおかげか、選手の実力か、それとも会長の手腕か…。見解は分かれるところだが、ペレス会長が権力を握り続ける限り、長期政権が築かれる可能性は限りなく低いだろう。
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