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Jリーグ 10年前

敵地でもベアスタのような戦いを――。サガン鳥栖、さらなる飛躍へ手応えを掴んだ等々力の夜

尽きることのない豊富な運動量をベースにチーム全体が躍動し続けるサガン鳥栖。J1にも定着し、近年は上位争いを繰り広げている。そんな彼らがもっと高いところへ到達するには、アウェイでも勝ち切る必要がある。

text by 青木務 photo by Getty Images

川崎相手に主導権を握った鳥栖

敵地でもベアスタのような戦いを――。サガン鳥栖、さらなる飛躍へ手応えを掴んだ等々力の夜
森下仁志監督【写真:Getty Images】

 サガン鳥栖は今季ここまで、ホームのベストアメニティスタジアムでは3勝3分と負けがない。一方、アウェイでは前節終了時点で2勝1分3敗と黒星が先行していた。そして23日、川崎フロンターレ戦を2-3で落とし、アウェイ4敗目を喫した。

「本当に残念というか、悔しいです。それくらいの内容だったと思いますし、本当に勝ち切りたかった」

 試合後、鳥栖の森下仁志監督はこう振り返った。

 J屈指のボール支配力を持つ相手に対して、引いてゴール前を固めることはしなかった。豊田陽平、池田圭らが前からプレッシャーをかけ、川崎の攻撃の起点であるボランチにも高橋義希と藤田直之が監視した。川崎はロングボールを蹴る回数が多かった。前から来る相手をいなす目的があったはずだが、鳥栖のハイプレスを嫌がっているようにも映った。

 主導権は、鳥栖が握っていた。

 ポゼッションでも真っ向から挑んだ。試合前、森下監督は選手たちに「自分たちがボールを握ろう」と話していたという。この言葉を受けた選手たちは、繋げるところではパスを回しながら攻め手を伺っていた。

「なるべく早めに相手のゴール前まで行けたらいいんですけど」と、キム・ミヌが流暢な日本語で言うように、優先順位が高いのは手数をかけない攻撃だ。ただし、今季の鳥栖には繋ぐという選択肢がある。

「ビルドアップは去年から練習していたし、今年も監督に言われています」というキムの言葉通り、鳥栖のポゼッションも確実に成長している。

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