同じくスペクタクルな勝利を手にしたシャルケ戦
先発メンバーについては、シャルケ戦では右SBがドゥルムではなくてキルヒ、ボランチがケールではなくてサヒンだったことを除いて、ブレーメン戦でも同じ顔ぶれである。
また得点者はシャルケ戦ではロイス、オーバメヤン、ムヒタリヤン、ブレーメン戦では香川、オーバメヤン、ムヒタリヤン、となっている。つまり前提が若干違ってはいるものの、「スペクタクル」と形容される似たゲームが展開されたということだ。
そして、そのシャルケ戦とブレーメン戦を考える上で見逃せないことがある。相手が「ワンボランチ」だったことである。シャルケ戦の後で香川は次のように述べている。
「上手く、マルコ(・ロイス)とかとね、連係して、動きを見ながらお互いやれていたと思いますし、ワンボランチも結構僕に食い付いていた分、僕が開いたら結構付いて来ていたので、そこのスペースを上手く付けていたんじゃないかなと思うので、そこは上手くやれていたと思います」
またブレーメン戦の後では「ワンボランチだから余計にやりやすかった」と振り返った。香川の言うように、2つのゲームを考える上で「ワンボランチ」がキーワードとなるところはある。
今季からレヴァンドフスキが抜けたことで、ドルトムントはワントップにボールを収める、という選択肢を取ることが不可能となった。レヴァンドフスキの後釜としてインモービレとラモスを獲得して、当初は昨季と同様の戦術を想定していたところはあった。
しかし、その両者ともなかなかチームに馴染めない。そんな中でクロップは、昨季SHを務めたオーバメヤンをワントップに据えて、前線のアタッカー陣の流動性を主体とするスタイルへの変更を図った。
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