フットボールチャンネル

香川真司 10年前

「スペクタクルな勝利」=弱点? 独杯決勝へ、ドルトムントが抱える最大の問題点とは

text by 本田千尋 photo by Getty Images

同じくスペクタクルな勝利を手にしたシャルケ戦

 先発メンバーについては、シャルケ戦では右SBがドゥルムではなくてキルヒ、ボランチがケールではなくてサヒンだったことを除いて、ブレーメン戦でも同じ顔ぶれである。

 また得点者はシャルケ戦ではロイス、オーバメヤン、ムヒタリヤン、ブレーメン戦では香川、オーバメヤン、ムヒタリヤン、となっている。つまり前提が若干違ってはいるものの、「スペクタクル」と形容される似たゲームが展開されたということだ。

 そして、そのシャルケ戦とブレーメン戦を考える上で見逃せないことがある。相手が「ワンボランチ」だったことである。シャルケ戦の後で香川は次のように述べている。

「上手く、マルコ(・ロイス)とかとね、連係して、動きを見ながらお互いやれていたと思いますし、ワンボランチも結構僕に食い付いていた分、僕が開いたら結構付いて来ていたので、そこのスペースを上手く付けていたんじゃないかなと思うので、そこは上手くやれていたと思います」

 またブレーメン戦の後では「ワンボランチだから余計にやりやすかった」と振り返った。香川の言うように、2つのゲームを考える上で「ワンボランチ」がキーワードとなるところはある。

 今季からレヴァンドフスキが抜けたことで、ドルトムントはワントップにボールを収める、という選択肢を取ることが不可能となった。レヴァンドフスキの後釜としてインモービレとラモスを獲得して、当初は昨季と同様の戦術を想定していたところはあった。

 しかし、その両者ともなかなかチームに馴染めない。そんな中でクロップは、昨季SHを務めたオーバメヤンをワントップに据えて、前線のアタッカー陣の流動性を主体とするスタイルへの変更を図った。

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!