PSGとその他。さらに広がる二極化
「選手をあと2、3人補強しようと思ったら、6000万ユーロではとうてい賄えない。ファイナンシャルフェアプレーについてはUEFAとも話し合って行くつもりだ。イングランドは来季から莫大なテレビ放映権を手にすることになるし、これはリーグ1だけでなく、イングランドやスペインといった他国でも同様の問題だからね」
噂になっているポグバやクリスティアーノ・ロナウドについて獲得の意思を尋ねられたときには「ウチにはすでにビッグスターが大勢いるから…」とはぐらかしたが、壇上でのコメントでもチャンピオンズリーグ敗退の未練を語っていた会長。補強の照準はあくまで、CL優勝を可能とするチーム作りだ。
今回のメルカートでは、PSGは積極的に動くことになるだろう。となれば来季もますます、CL優勝という、違う次元に目標を置くPSGとその他のクラブとの二極化は進むかもしれない。
今季は、序盤はW杯出場組の疲労、後半は過密スケジュールでケガ人続出と苦戦を強いられ、前半戦はマルセイユが首位、その後はリヨンが1位を独占し、PSGが首位に立ったのは終盤に入ってからの30節だった。それでも最終的には38節を待たずに彼らが優勝をかっさらった。
交代要員でさえフランス代表やユース代表が占めるのだから、他クラブとは圧倒的な地力の差があるということだ。
準優勝もリヨンで確定していた最終節のささやかなサスペンスは、勝ち点68、66、66と拮抗したモナコ、マルセイユ、サンテティエンヌの3位争いだったが、結果は三者とも勝ってモナコがポディウム入り。ビエルサのマルセイユも欧州カップ戦出場圏内にはとどまった。
すでにリーグカップ杯に優勝しているPSGは、週末30日のフランスカップ戦にも優勝すれば、フランス国内では前人未到の3冠達成となる。開幕前のスーパーカップも併せれば4冠だ。
フランス杯で決勝を戦うのはリーグ2所属のオセール。パリ陣営にはすでに4冠達成ムードが漂っている。
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