敗戦の反省を語る長友
選手からサポーターに至るまで、この日のジェノアは燃えていた。
試合前、ルイジ・フェラーリスのスタンド全周に大掛かりなコレオグラファーが展開され、ジェノアサポーターの巣食う北のゴール裏スタンドでは花火まで上がっていた。
チームも2度リードを許しながらいずれも追いつき、終了間際にセットプレーから逆転勝利を収めた。球際のプレスは非常に激しく、速攻には常に迫力があった。
「2点は取られたが、リスクを負って前でプレスを掛けに行ったことの成果だから構わない。これほどの内容のゲームができたことを、私は本当に嬉しく思う」
試合後、記者会見室でジェノバの地元記者から拍手で迎えられたジェノアのガスペリーニ監督は、満面の笑みでそう語った。
会計監査関連の提出書類に不備があったため、ジェノアはUEFAライセンスを取得できない公算が高い。ファンの熱い応援や選手の闘志みなぎるパフォーマンスは、本来なら誰がヨーロッパリーグ(EL)に相応しいのか証明してやる、という反骨心にみなぎっていたようでもあった。
そしてそんな彼らを倒せなかったインテルはELに進む資格はなかったということになってしまう。3ヶ月ぶりに先発出場した長友も勝利には貢献できなかった。直接失点には絡んでいなかったものの「結局3失点してしまったんで、僕を含めしっかりと反省しなければいけないなと思います」と、ディフェンダーの一人として責任を感じていた。
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