全得点に絡み、高い評価を得たファン・ヒンケル
しかし、第21節パルマ戦以降は再び負傷離脱。前節のサッスオーロ戦に途中出場して、ようやく戦列復帰を果たした。そして先発復帰となったこのトリノ戦で18分と65分に得点を記録。
その得点シーンは決して個人技頼りのものではなく、周囲との連係とエル・シャーラウィの高い能力が相まって生まれたものだった。
さらに、エル・シャーラウィのプレーはチームメイトにも好影響を与えた。1つ下のポジションでプレーする同じ22歳のマルコ・ファン・ヒンケルは、今季後半から定位置を獲得してコンスタントに出場機会を得ているが、選手としての特徴や武器がなく、チームに貢献しているとは言い難いパフォーマンスを続けていた。
ところが、この日は中盤でパスをさばいてエル・シャーラウィの1点目の起点となり、積極的な飛び出しでPKを誘い、チーム3点目のシーンではエル・シャーラウィとのパス交換でアシストを記録した。
データサイト『Who Scored.com』のレーティングでは、2得点のエル・シャーラウィの8.6を上回る8.7でマン・オブ・ザ・マッチに選出されるほどだった。
そして、その中で28歳の本田圭佑もチームの歯車の1つとして確実に貢献していた。
右WGとしてフル出場した本田だが、前半は全く試合に入ることができていなかった印象だった。それでも、後半に入ると頻繁にボールに絡み、持ち前のキープ力でアクセントを作っていた。
『Who Svored.com』のレーティングでは、前半の6.5から試合終了時までに7.5までアップ。同じくデータサイト『Squawka.com』のパフォーマンススコアでも前半の-3から試合終了までに24に急上昇した。
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