次戦はドイツカップ決勝。本当の最終戦へ
ドルトムントは、85分にゲーブレセーラシに1点を許したものの、最終的には22本のシュートを浴びせて、ブレーメンを3-2で下した。
「久しぶりにやっていて凄く、躍動感と充実感、楽しさを感じました」
試合を通して香川が感じたこの感覚は、ドルトムントを取り巻く誰もが同じように分かち合ったことだろう。ケールも、クロップも。
香川は81分に交代となった。最後の試合を決定づけた活躍に、誰もが拍手で賞賛した。文句の付けようはない。
そしてケールは、86分にピッチを退いた。ケールはもう、ジグナルイドゥナのピッチを踏むことはない。万雷の拍手が送られる。
試合後の様子をドゥルムは「とてもエモーショナルなものだった」と振り返る。
クロップはゆっくりと場内を一周した。ドルトムントのファンだけでなく、ブレーメンのファンも、総立ちでクロップに拍手を送り続ける。
試合前に現れたクロップの巨大なコレオグラフィと、添えられた言葉。
「ありがとう ユルゲン」
そしてポカール決勝である。
【了】