「会いに行けるアイドル」がJリーグの未来に
「地域密着」を掲げるJリーグではどのクラブも地元に根差した存在を目指してホームタウン活動を推進している。シーズン前になると地元の商店街にあいさつ回りをする川崎フロンターレのように熱心なクラブもあれば、そこまで力を入れていないクラブもあるが。
そこで、今後は某アイドルグループがブレイクしたように「会いに行けるアイドル」としてのブランディングが鍵を握ると考える。
プロ野球に比べてホームタウンが限定されている分、Jリーグはより地域に愛されるクラブ作りが重要になる。そういう意味で選手たちを「地元のアイドル」として愛せるようになれば、安定したファンのベースを作ることができる。
浦和レッズの槙野智章は「間違いなくサポーターの皆さんと戦っている。勝った後にみんなで歌える時間を『またやりたい』という想いがみんなの中で膨らんでいることが、いい結果につながっている」と、好調の理由を語った。
ファンの声援は間違いなく選手に届いている。神戸の渡邉千真は「力以上のものを出させてくれる存在。サポーターの力はすごく大きい」と述べ、ファンのサポートが自身の力の源であると明かした。
Jリーガーはサッカーをしていれば誰もが一度はあこがれる存在だ。最初は遠い存在で、ただ見ているだけかもしれない。しかし、選手たちがだんだんとサッカーに興味のある人も、興味のない人も、皆に愛される「地元のアイドル」になっていけば、本当の意味で「地域密着」の理念を実現したJリーグができあがっていくのではないだろうか。
「アイドル」とは決してスター選手をまつりあげて話題を作るのではない。「会いに行けるアイドル」はより身近で、それぞれのファンの趣向に合った様々な性質を持っていることが魅力だ。Jリーグが人々にもっと寄り添い、地元でより身近な存在としての価値を高めた未来は、大きな発展の可能性を秘めている。
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