去り行くバルサの伝説
そんなシャビのプレーが見られるのは多くてあと3回。来季からアル・サッド(カタール)でプレーすることも合わせて発表されたが、チームメートやリーグのレベルが異なる以上、現在のようなプレーを見ることはもうできないだろう。もちろん、だからといって彼の魔法がかったプレーが消えるわけではないのだが。
シャビのキャリアは容易ではなかった。グアルディオラの影であることを強いられた日々、靭帯負傷、超えなければならないハードルが次々にやってきた。だが、バルサでのキャリアをあきらめるには「バルサが好きすぎて、それにすごく頑固過ぎた」とは本人の弁だ。
やり残したことは、と聞かれ「ハットトリックやオーバーヘッドゴール…。まだ3試合残っているからね。できるかな」と冗談を飛ばすシャビの記者会見に、退団することへの悲しみや未練などは感じられなかった。今季、ルイス・エンリケとメッシがロッカー内でぶつかった時も間に入ったのは、ルイス・エンリケとチームメートだったこともあるシャビだった。
ピッチ内外でバルサにとって大きな存在だった伝説が去る。シャビの17年間をまとめることなどとてもできない。彼がスペインサッカーに、バルサに与えたものは永遠に歴史に刻まれ、今現在もここにある。カタールで続くシャビのキャリアの幸運を願い、将来カンプノウで再会できる時を楽しみにしたい。
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