バルサ愛を貫いた17年
18歳でトップチームデビューを果たし、それから17年間。バルサのユニフォームに身を纏い続けたシャビにも決断の時が訪れた。クラブ側から契約更新のオファーも出され、迷ったことも正直に告白した。
心からバルサが好きで、ここに戻ってくることを目的としているけれど、それでももう自分が望むように試合には出場できなかった。そういった状況がスペイン代表でもバルサでも起き、「ここを去る時が来た」と迷いを振り切った表情でシャビは語った。
シャビの功績は誰もが認めるところだ。過言ではなく、シャビ・エルナンデスなしにはペップ・グアルディオラがもたらしたバルサの黄金時代も、ユーロ、ワールドカップと続けて制覇して世界ランキング1位になったスペイン代表の成功も存在することはなかっただろう。
ボールタッチを中心としたサッカー哲学は、以前から生み出されているものであっても、その哲学を発展させたのは監督の考えだったとしても、実際にピッチでそれを可能にしたのはシャビの存在あってのことだ。彼には普通の選手にはない瞬時の判断能力とそれを形にする技術がある。カンプ・ノウの高い位置からピッチを見下ろしていると、テレビ画面には映されないものも往々にしてそれが見える。
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