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新旧主将の決断、指揮官との別れと欧州への道。ドルトムントを取り巻く全てが望むハッピーエンドへ

text by 本田千尋 photo by Getty Images

旧主将の決断。引退を表明、ドルトムントでの日々に終止符

 また前主将のケールにとってブレーメン戦は最後のリーグ戦となる。キッカー紙に対してケールは「その日を楽しめるよう望んでいるよ」とコメントを残した。ケールはシーズン前に今季限りでの引退を表明して、2002年から続いたドルトムントでの日々は終わりを迎えようとしている。

 ポカール準々決勝のホッフェンハイム戦では107分に決勝点を決めるなど、主将の座を譲ったが変わらず今季もチームを支えてきた。在籍年数の長さを考えれば、BVBの顔は他ならぬケールとも言える。そうしたケールのブンデスリーガは、314試合目のホームゲームで最後となる。

 そして現指揮官のクロップにとっても、ブレーメン戦は正真正銘のドルトムントで最後のブンデスリーガの試合だ。キッカー紙は「ドルトムントの指揮官としてユルゲン・クロップの最後のホームゲームで土曜日に別れの時がやってくる。大きな感情の時間である」と記した。

 クロップが辞任を発表した直後の4月18日、第29節パーダーボルン戦のジグナルイドゥナ・パークは、3-0で勝利した後のゴール裏からは「ユルゲン・クロップ!」の合唱があったものの、試合前にスタンドが高揚に包まれるところはなかった。

 まさに「しんみり」という日本語がふさわしく、ファンとすれば、突然の辞任発表とともにクロップが去ってしまうことを受け止めきれていない様子だった。

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