次の大舞台はベルリンでのバルサ戦
こうして不利な状態を耐え抜き、時間が経過。そして延長戦を視野に入れたところで、アッレグリ監督は2枚の交代カードを切る。これが決定的だった。まず低調のポグバに変わって投入されたロベルト・ペレイラは、守備の運動量はそのままに攻撃の精度にプラスをもたらす。彼が中盤から飛び出し、ドリブルでボールを運ぶようになると、流れは少しずつ変わる。
そして後半40分から投入されたマトリは、狙い通り延長前半に大仕事をした。フィリップ・ジョルジェビッチのシュートがバーに弾かれたあとの7分、ピルロの精密なミドルパスに反応しエリアに飛び出すと、詰めてきたDF2人のチェックをかわしてテベスにパス。味方はボールをカットされるが、それを拾ったマトリはGKの動きを冷静に確認し、正確にシュートを決めた。
苦しい展開でも瓦解しない守備、監督の意志を理解している控え選手たち、そして少ないチャンスで確実に仕留める攻撃力。レアル・マドリー戦でも披露した強みを発揮し、ユベントスはコッパ・イタリアでも歴代最多の10冠を達成。意外にも、優勝は20年ぶりの出来事だ。
「大変なチームが相手でも、諦めないのが僕らの良さだ」。ストラーリにプレーさせる関係でブッフォンがベンチに回ったため、この日キャプテンとしてカップを掲げたキエッリーニは語った。良くも悪くも攻撃一辺倒だったアントニオ・コンテ前監督時代から、アッレグリ監督のもとで戦術的にも精神的にもチームとして完成度を高めた彼らが、果たしてバルセロナに通用するのか。ベルリンの決勝戦が楽しみになってきた。
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