苦しみながらも勝利したマドリー戦とインテル戦
4年連続のスクデットを獲得、さらにUEFAチャンピオンズリーグではレアル・マドリーを退け12年ぶりの決勝進出を決めたユベントス。しかしその後も彼らは気を抜くことなく、勝利への執念を前面に押し出した素晴らしい闘いをしている。
16日のインテル戦は大幅にメンバーを入れ替え、カルロス・テベスやアンドレア・ピルロ、ジョルジョ・キエッリーニに至ってはミラノに連れてもこなかった。しかしヨーロッパリーグ出場を懸けて主力をぶつけたインテルに2-1の勝利だ。
レアル・マドリー戦同様に守備は常に集中し、これまで出番の少なかったシモーネ・パドインやロムロも戦術面で機能。この日先発したアレッサンドロ・マトリはネマニャ・ビディッチからファウルを誘ってPKを取る。そしてテベスとともにFWの1番手となったアルバロ・モラタは、アンドレア・ラノッキアらを振り回した末に決勝ゴールを決めた。
第2GKマルコ・ストラーリも、ジャンルイジ・ブッフォンのお株を奪うような鋭い好セーブを連発。控えのメンバーのモチベーションが高く保たれ、少ないパスでスピーディにゴールへ到達するサッカーの質はメンバーを入れ替えても大きく変わらない。チームの総合力とは、そういうものである。「(差は)ありすぎますよね。質も全然違うし、スピード感も違うし。前線のタレントが揃っていて、少ないチャンスでも決められる」。長友佑都は脱帽していた。
彼らがイタリアダービーでターンオーバーを敷いたのは、20日のコッパ・イタリア決勝に備えるためでもあった。そして彼らはこの試合で、別の側面から改めてチーム力の高さを示した。つまり、苦しい展開でも勝利をものにできる力だ。