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セリエA 10年前

ミランも撃破したサッスオーロ。躍進続ける“小さなクラブ”を読み解く2つのキーワード。13年間の健全経営で培ったチームの哲学とは?

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

プレーの質を大事にするディ・フランチェスコ監督

ミランも撃破したサッスオーロ。躍進続ける“小さなクラブ”を読み解く2つのキーワード。13年間の健全経営で培ったチームの哲学とは?
サッスオーロのディ・フランチェスコ監督【写真:Getty Images】

 成績は右肩上がりで、赤字も出していない。それでいて、投資をする時は攻めに出る。昇格ののちに成績が出なければちゃんと補強もするし、セリエAで2年目の今季はビッグクラブに行く可能性のあったシメ・ブルサリコやコンシーリも獲得した。

 当初借り上げていたレッジョ・エミリアのスタジアムは買収してクラブの所有に。そしてザザとベラルディはユベントスと保有権を折半し(そのうちザザはサッスオーロの全所有となりユーベに優先交渉権を付与している)、移籍金ビジネスにもしたたかに準備を図っているのだ。

「目先の結果のために守り固めるサッカーをするよりは、プレーの質を大事にしたい。その方が、長い目で見れば選手は育つ」と現在のチームを率いるエウセビオ・ディ・フランチェスコ監督は語るが、実際サッスオーロはそうやって力をつけてきた。健全経営を続ける彼らがヨーロッパリーグ出場権を獲得するのも、そう遠い将来のことではないのかもしれない。

【了】

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