長友に残された2試合での課題とは?
確かに彼はビッグチャンスを作ったが、実らなかった攻撃参加もあった。縦への鋭い飛び出しやカットインでバイタルエリアに悔い込むものの、そこからのクロスには不正確なものもあった。厳しいことを言えば、後半37分のクロスだってイカルディの欲しかったボールではなかったかもしれない。とっさに反応できないのはストライカーとして落ち度ではあるものの、来ると思っていないクロスが来たからこそ体も伸びたのだろう。
昨シーズンは5ゴール6アシストと、左アウトサイドとしては申し分ない実績を残した。だがシーズン当初にドドを台頭させる原因となったのは、チャンスメイクの質の向上に注文がついたからだ。その一方で監督がマンチーニに代わり4バックに変更されたが、ここでも長友に要求されるのは攻撃だ。そもそも守備に関して、マンチーニは最終ラインの出来そのものに不安を覚え、長友不在の間にファン・ジェズスを置くようになってしまっている。
来シーズンの去就が微妙といわれるなか、アピールに繋がるのは勝利に導くためのプレーとそれに付随する結果で、現状で求められているのは攻撃。あと2試合になってしまったが、1試合で立場がガラリと変わってしまったエルナネスのような例もある。そこをブレイクスルーできるか。
自分を追い込むたびに、力以上をひねり出してきた人間である。「これからどうなっていくかわからないですけど、自分がやれることは日々の積み重ね、日々のトレーニングをどれだけ自分を追い込んでできるかということだけ」と語った長友に、私は期待している。
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