ブラジル代表メンバーは…【写真:Getty Images】
ブラジル代表が2006年以来、スポンサーによってメンバーを選出しているという驚愕の事実が明らかとなった。17日の英紙『メール』など複数のメディアが報じた。
ブラジル紙『エスタダン』によると、西インド諸島のイギリス領ケイマン諸島に拠点を置くサウジアラビア系投資企業『ISE』が2006年からブラジル協会と結んでいる契約の中に、スポンサー企業が代表チームを選出できる権限を盛り込んでいるとされる。
同紙が入手したとされる契約書の契約条項第9条の1には、「ブラジル協会は公式戦のいかなる試合にも毎試合、決められた選手を出場させることを確約する」と書かれており、それらの契約内容に違反した場合は、ブラジル協会はISEから試合収益の半額に当たる100万ドル(約1億2000万円)の罰金を科される。
その一例として、2011年11月にカタールの首都ドーハで行われたブラジル対エジプトの国際親善試合では、当時のマノ・メネゼス監督が企業の指定した不動の選手、カカ、ネイマールといったスター選手らをISEへ報告せずに招集しなかったため、ブラジル協会は罰金を科されたという。
このように、代表戦に臨むチームは監督ではなくスポンサー企業によって決められ、中には毎試合で必ず先発させなければならない不動の主力選手も存在し、その選手が負傷した場合にもISEに証明として診断書を提出しなければならない。仮にブラジル協会が新選手を招集する際には、その選手の商業価値が吟味された上で選出される。
この契約書が本物であった場合、2006年からブラジル代表の監督を務めたドゥンガ氏、メネゼス氏、ルイス・フェリペ・スコラーリ氏らにチーム選出の最終決定権がなかったことになるため、今後のFIFA(国際サッカー連盟)の動きにも注目が集まる。
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