127試合でもらったイエローは8枚。レッドは1枚もなし
チームのためにファウルを犯した水本に感謝しながら、佐藤が続ける。
「フルタイムで出場し続けるだけでなく、常に素晴らしい仕事していますよね。けがをした直後に見舞ったときは、正直、戻ってこられるのかなと思ってしまったけど……戻ってくるだけでなく、努力を重ねてレベルアップもしている。
本当の意味でのプロフェッショナルだと思うし、鉄人という言葉が誰よりもぴったりしていますよね。後輩たちにいい背中を見せているし、チームメイトでいられることを幸せに思う」
127試合でもらったイエローカードは8枚。新記録を達成したアントラーズ戦で史上77人目の通算300試合出場も達成したJ1の舞台で、レッドカードをもらったこともない。
常にいいポジショニングからスタートすることと、一発でボールを奪いにいくのではなく、粘り強く何度も対応していくことを自分自身に言い聞かせている賜物でもある。
もっとも、水本本人は4年前も今回もアントラーズから白星をあげられなかったことが「何よりも心残りです」とこう続ける。
「個人的には次の試合に勝利することしか考えていません。(服部)公太さんはまだまだすごい記録をもっている偉大な方なので、肩を並べられただけでも光栄だと思っていますから」
記録にはカウントされないものの、服部はサンフレッチェがJ2を戦った2003年シーズンも全44試合にフルタイム出場している。2002年シーズンのJ1セカンドステージ最終戦を含めれば、実質的には171試合連続でフルタイム出場を果たしていることを水本は言いたかったのだろう。
まばゆいスポットライトを浴びた大記録も通過点。チームの苦しい時代を支えたOBへのリスペクトの思いも胸に刻みながら、水本は前人未到のフィールドを走り続けていく。
【了】