クラブOB服部公太来の記録を8シーズンぶりに更新
サンフレッチェ広島のDF水本裕貴が、フィールドプレーヤーではJ1歴代最長となる「127試合連続フルタイム出場」を達成した。
カシマスタジアムで行われた鹿島アントラーズ戦で先発フル出場し、クラブOBのMF服部公太(現サンフレッチェ広島ユースコーチ)がもっていた従来の記録を8シーズンぶりに更新した。
常にコンディションをベストに整え、累積警告などによる出場停止処分とは無縁で、その上で指揮官が求めるパフォーマンスを高いレベルで発揮し続ける。不慮のアクシデントによる負傷も起こりうるサッカーにおいて、称賛に値する大記録と言っていい。
9月には30歳になる水本を「鉄人」たらしめる理由は3つある。まずは恐怖心を克服したことだ。
偉大な軌跡は、くしくもカシマスタジアムでスタートしている。2011年8月20日。ピッチに入場してきた水本の頭部には、黒いヘッドギアが装着されていた。
「覚えています。けがから復帰して、最初はベンチだったんですけど、次の試合から、ちょうどここで始まったんですよね。すごく運命的なものを感じます」
当時は選手生命の危機とも戦っていた。同年5月7日に行われたヴァンフォーレ甲府戦。開始早々のセットプレーにおける空中戦で、競り合った相手選手のひじが水本の頭にまともに入った。
後半に入ってから痛みが限界に達し、ベンチへ退いてから広島市内の病院へ緊急搬送された。診断の結果は頭蓋骨骨折及び急性硬膜外血腫。緊急の開頭手術を受けざるをえないほどの重傷だった。