求められるのは「再びハードルを上げること」
ただ、相棒のアバーテは前半のみで交代となり、ミランの1点目を決めたボナベントゥーラ、アレックスによる2点目をアシストしたスソが退場処分に。トリノ(ホーム)、アタランタ(アウェイ)と続く残り2戦に大きな不安を残した。
ボナベントゥーラはゴールシーンこそ見事だったものの、前半から危ういプレーを続けており、退場となった2枚目のイエローはセンターサークル付近での軽率なハンド。その瞬間、「やっぱりな」と思った人も多かったはずだ。
そして何より、ザザやベラルディといった好選手はいるものの、16位と決して強敵ではないサッスオーロを相手にダブルを喫し、サッスオーロの本拠地チッタ・デル・トリコローレにおいてベラルディに昨季と合わせて7得点を許した。
冒頭の“まぐれか否か”の答えは、チーム全体の最低限のパフォーマンスに関してはまぐれではないといえるだろう。しかし、このようなダメージの大きいはずの敗戦にもかかわらず「内容は良かった」と素直に感じてしまうほどに下げられたハードルは切ない…。
この敗戦によって来季の欧州カップ戦の可能性は完全に消滅。ここからの残り2戦、そして来季のミランに求められるものは、まず「再びハードルを上げること」。
「良かった」と言われるべきは、高いハードルを越えている場合のみ。少しでもハードルを下回っているならば、批判されているうちが華だ。
【了】