明確だったサッスオーロの狙いを止められなかったミラン
結果は2-3。前節、ローマを相手に手にした結果を続けることはできなかった。では、結局のところローマ戦の出来は“まぐれ”だったのだろうか?
13分の先制点は微妙な判定。そもそもGKディエゴ・ロペスが確実にボールを収めておけば防げた失点だったが、ゴールラインテクノロジーの導入を求める声が高まる出来事となるかもしれない。
ただ、FWベラルディによる31分の2点目は文句なしにミランDFとの力の差を見せつけたものだった。DFラインを破るベラルディの走力とMFミッシローリの絶妙なパスは、今のミランに防げるクオリティーではなかった。
サッスオーロの狙いは明確だった。支配率ではミランの54.8%に対してサッスオーロは45.2%と下回りながらも、積極的な縦方向へのロングパスと前線の選手の走り出しでスピードの劣るミランDFの裏を狙っていた。
この2点目のシーンは、サッスオーロにとっては狙い通り。むしろ、相手の狙いがはっきりわかっていながら完璧な形での成功を許してしまうミランDF陣の対応力が厳しい。
とはいえ、チーム全体を通して見れば決して悲観するものではなかった。もちろん16位のサッスオーロを相手に3失点を喫して敗戦したことは恥ずべきこと。それでも、第34節ナポリ戦までのミランとは見違えるほどに「チーム」として戦うことができていた。
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