ミランの力は本物なのか?
今日の試合でミランを、そして本田封じに立ちはだかるのはこの組織力である。前節に対戦したローマは、攻撃を意識するあまりスペースのケアがおろそかになり、ウイングも守備どころか戻ってこなかった。本田にとっては悠々とトロシディスとの1対1を仕掛けられる美味しい状況ができていたわけだが、今回そうはいかないだろう。
しかし、タスク自体は変わらないはずである。向こうが組織守備からの速攻で来るなら、ミランも前節に見せたチームプレーで対抗したい。ローマよりも厳しい組織守備にさらされる中で本田が自らを活かし、ゴールに結びつける活躍をした時、パフォーマンスに継続性が出たと評価を受けることになる。
守備への精力的な参加は、現在本田も持ち味としてアピールしているものである。中盤のインテンシティ(プレスの激しさや攻撃への切り替えの早さに代表されるプレイの強度)で相手を凌駕し、周囲をパスで動かしつつゴール前のスペースに出て、点に絡む。そのようなところで本田がサッスオーロ陣営の予測を上回るプレーをした時、ミランは勝利へ近づくことになるだろう。
サッカーにまとまりを取り戻したミランと、連係の中軸として機能した本田。遅まきながら前節で見せた力が本物なのかどうかは、この試合で分かる。
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