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香川真司 10年前

独杯決勝“前哨戦”、敗戦を喫したドルトムント。7位と2位の実力差が表れた結果か

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「これがいい戦いになったと言えるようにしなきゃいけない」

 カンプルによれば「ハーフタイム中に相手のセットプレーには気をつける必要があると僕達は話し合った」のだという。それでもゲームの再開直後に失点してしまっている。カンプルの言う「起きてはならないこと」だった。

 前半とは対照的に、後半はヴォルフスブルクが優位に立ってゲームを進めた。それでも失点直後の50分、オーバメヤンが右サイドを抜け出して、折り返しにムヒタリヤンが合わせようとするなど、ドルトムントは再びゴールを狙っていく。

 しかし次第にプレスは上手く掛からなくなり、セカンドボールも拾われるようになる。70分には、インモービレとロイスを投入して攻撃のテコ入れを図るが、なかなか決定機まで持って行けない。79分、80分と悪い取られ方から、ヴォルフスブルクにカウンターを仕掛けられる。劣勢だった。

 そしてドルトムントは1-2で敗れた。順位は7位のままとなっている。

 カンプルは振り返る。

「もし僕達があの2ゴールを止められていたなら、試合は全く違ったものになっていただろう。それが敗因だ」

 特に2失点目について、注意していながらも立ち上がりでの失点を繰り返してしまうことは、まさに癖とするにふさわしいだろう。それともドルトムントが集中を欠いたというよりは、ヴォルフスブルクがしたたかで、ただ単に7位と2位の実力差がそのまま表れた格好なのだろうか。

 香川は「これがいい戦いになったと言えるようにしなきゃいけない」と言葉を残した。

 両者が再び相見える30日のDFBポカール決勝で、その答えは明らかになるだろう。

【了】

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