「ユナイテッドで試合に勝つことが私の優先事項だ」
キャリアの全期間を通して、私はその8月から5月までの試合のサイクルに集中し、メンタル面とフィジカル面の状態を保つことに専念していた。ユナイテッドのチーム内でポジションを失いたいとは思わなかったし、もちろんクラブに居場所がなくなることも望まなかった。
ピッチの外で何が起こっても私には関わりのないことだった。選手として、自分たちの愛する仕事をするために給料を支払われていたし、私の場合はずっと応援してきたクラブでそうすることができた。その妨げになるようなことは何もするべきではなかったし、監督も許しはしなかっただろう。
サポーターが抗議する権利は尊重するが、アンチ・グレイザーのファンたちが選手に何を望んでいたのか、私にははっきりとは分からない。オーナーが誰であれ、私はユナイテッドに損害をもたらすようなことは決してするつもりはないし、私がそうすることを望むユナイテッドファンもいないはずだ。
監督のためにプレーし、監督に付いて行くことが私の仕事だった。私はサー・アレックスに忠実であったし、彼の心の中で常にユナイテッドの利益が優先されていたのも分かっていた。
アンチ・グレイザーのファンたちのために何かを言ったり何かをしたりするようサポーターから頼まれたとすれば、私の返事はきわめてシンプルなものになっていただろう。「ユナイテッドで試合に勝つことが私の優先事項だ」ということだ。
新オーナーに対してどんな形の不満があろうとも、オールド・トラフォードのファンの圧倒的多数は何よりも一つのことを気にかけていると分かっている。それはチームが勝つかどうかだ。我々が何をする時にも、それこそがいつも優先すべきことだった。
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