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日本代表 10年前

熱を帯びる代表FWサバイバル。ベテラン大久保、若手の浅野…狭き門を突破するのは誰だ?

text by 元川悦子 photo by Getty Images

スピードを武器に大化けの可能性秘める浅野

 体調不良からか、守備面での激しさや献身性は最近のJリーグに比べるとあまり出ていない印象だったが、ボールを持った時の破壊力はピカイチ。それを示したことで、宇佐美は6月のシンガポール戦(埼玉)に大きく近づいたと言っていいだろう。

 32歳のベテラン・大久保嘉人(川崎)も2日間通してキレのある動きと鋭い得点感覚を前面に押し出した。この日のシュート練習の決定率もトップクラス。ハリルホジッチ監督に「年齢は関係ない」と言わせるだけのクオリティは確実に示したのではないか。

「今回はまた今までにない代表チームのやり方なんで新鮮。運動量や走力も求められる。でも俺はできるなと。もう1回、そういう体を作ってやっていければいい。今(の状態を)を維持すれば大丈夫じゃないかなと思います」と大久保は笑顔で自信と手ごたえをのぞかせた。彼も6月のW杯予選に生き残る確率を高めたはずだ。

 彼らよりシュート技術はやや落ちるものの、大化けする可能性を垣間見せたのが浅野拓磨(広島)だった。彼のタテへ抜けるスピードと迫力は、3月2連戦(チュニジア・ウズベキスタン)に呼ばれた永井謙佑(名古屋)と比較しても見劣りしなかった。

「代表はホントに技術の高い選手ばかり。自分は技術面では物足りなさを感じました。でも自分が持っているものもハッキリしてますし、そこは自信がある。技術も大切ですけど、持っているところを100%出すようにしていければ補えると思います。

 近い将来、A代表に定着できるか分かんないけど、つねに100%でやっていれば自然と結果も残ってくるし、またこういう場に戻ってこれると思ってやっています」と20歳のスピードスターはどこまでも前向きだった。

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