右足で放った2つのアシスト
そして第2のファクターは、右足での仕掛けが通用したということだ。アシストは二つとも右足。これまでも本田は右足のクロスを度々狙っており、日々練習していることも以前明らかにしていたが、その努力がこのタイミングで実った。だが、単に右足のキックの精度を上げただけではない。左足のプレイを予測して寄せてくる相手に対し、それを駆け引きに利用して右足でチャンスを作るクレバーさと技術も伴っていた。
再び40分のアシストのシーンに戻るが、右サイドを突破した本田にはピャニッチがカバーに入った。引きつけて仕掛けようとする本田に対し、彼は一瞬躊躇したのちに左足のコースを切った。本田が左利きという情報は当然入っていたはずで、右はないと踏んだのかもしれない。しかし本田はそのまま縦へと切り込み、前線に走り込むファン・ヒンケルを確認し右足でクロスを放った。
後半の11分にも、象徴的なプレーがあった。エリア内でナインゴランと正対した本田は一旦左足でのカットインを意識させると、右足の繊細なタッチでマークを外し、エリア内の味方へパスを通したのだ。自信を持って右足をプレイに織り交ぜる彼は、その後2点目のクロスもこの足で放った。
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