メネズ不在が功を奏したミラン
「インザーギのミランに拍手だ。彼らは勝つべくしてローマに2-1と勝った。メネズがいないことでミランは違う表情を見せ、ようやくチームとしてプレイしていた。本田などは、全得点に絡み技術上のレッスンを授けていたほどだ。そしてメネズについて、これまで日頃言ってきたことの証明だ。確かに彼は16ゴールを決めているが、チームを育てない。点を決めなければ彼は障害だ」
カルチョーポリ裁判の時効により無罪の身となったルチアーノ・モッジ氏は現在、地元メディアのコメンテーターとなっている。その彼がローマ戦のミランについて、上記のように言及していた。そして現在、地元メディアも同様の論調に流れている。チームプレーをできるようになったミランを、そしてその中で生きた本田を褒め、出場停止でプレーしていなかったメネズが批判されているのだ。
連係不在の中では、ミランの成績は良くも悪くもメネズの個人技に左右される部分が大きかった。彼の存在がすべての問題の元凶だったかどうかはともかく、ローマ戦でのミランは久しく見ていなかった連係を取り戻していたのは事実だ。
そして本田も、その中で活きた。それもフィニッシュやカバーリングと言った面だけではなく、彼本来の役割であるチャンスメイカーとしてだ。チーム共々これまでの不振ぶりから、ローマ相手にここまでの結果を出すとは想像できなかったが、なぜ急に光りだしたのだろうか。
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