曲線的なバルサを打ち破れるか
さらに忘れてはならないのがポール・ポグバの活躍だ。長期の負傷から復帰して9日のカリアリ戦では早速のゴール。そしてこの試合では、攻守に精力的にプレーして決勝進出に貢献。レーティングではチームトップとなる7.95という高い評価を得た。
対して、レアル・マドリーは02年の優勝から昨シーズンのデシマ(CL10度目の優勝)までに1700億円以上の補強資金を費やし、今季は112億ユーロ(約152億円)ともいわれる金額でハメス・ロドリゲスやトニ・クロースを獲得。
02年のビセンテ・デルボスケ監督から、現在のカルロ・アンチェロッティ監督へと移るまで10人の指揮官を経た上で、その目眩がするほどの金額を投じて狂信的なまでに攻撃力を上げ続けてきたマドリー。
しかしその“巨大な攻撃力”は今季、イタリアの守備力の前に屈する形となった。しかも、自らが育て上げた“小さな攻撃力”に吸い込まれて。
6月6日、ベルリンの地でユベントスが対峙するのは、再びスペインのバルセロナ。表現するなら直線的な攻撃力のマドリーに対してバルサは曲線的。リーガ36節終了時点でともに107 得点と全く同数ながら、その質は全く異なる相手に対してユベントスはどのような戦略で挑むのか。
当然、下馬評では不利とされるだろう。それでも、モラタとポグバの“ラッキーボーイ”にブッフォン、ピルロ、テベスらベテランも融合するユベントスは、もはや“アンダードッグ”ではない。
14-15シーズンのCL決勝は、“最高の守備力”と“最高の攻撃力”の激突となった。
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