規律を重視するハリルホジッチ監督に好印象も
が、32歳の点取り屋はまるで疲れを感じさせず、最初から最後までキレのあるパフォーマンスを披露。1年近い空白を感じさせるどころか、ずっと前からチームの大黒柱だったかのような圧倒的存在感を示し続けた。
それが如実に表れたのが、最後のゲーム形式で豊田陽平(鳥栖)に得点をお膳立てした場面。2本目が始まるや否や、大久保は一目散にゴールへ突進。鋭いタテパスを受けて、走り混んできた豊田にラストパスを送り、後輩FWはラクラクと1点を手に入れたのだ。
この出足の鋭さはハリルホジッチ監督も驚いたことだろう。その後も前線から献身的にプレスをかけ、球際を激しく行き、指揮官の求める仕事をキッチリこなす。まさにベテランの底力をこれでもかというくらい見せつけたのである。
「みんなで前に出ていくというか、厚みを持ってスピーディーさと運動量でやってくのは日本人には合ってるのかな。取ったら早く前に裏に飛び出てってね。これが試合でできれば面白いんじゃないかと思います。
ミニゲームはあくまで遊びと一緒。だけど、ミニゲームの中でやってることを監督は試合でやらせようとしてる。それを繰り返すことで、やらないといけないなという意識はみんなから出てきてますね。自分はそのサッカーに全然、順応できると思う。むしろそのタイプですし、楽しくできました」と大久保は初日の濃密練習に満足そうだった。
2003年5月の日韓戦(東京・国立)で国際Aマッチデビューを果たして以来、ジーコ、イビチャ・オシム、岡田武史、ザッケローニ、ハリルホジッチと6人の代表指揮官と一緒に仕事をしてきた大久保。ボスニア人指揮官はオシム監督に近いという印象を抱いたようだ。