過去とは異なる強さ。遺伝子を組み替えたバルサ
バルサは、ビラノバ、マルティーノ…と引きずったペップの面影を、他ならぬペップに勝利することで完全に断ち切ったようだ。エンリケはペップとは「違ったアイデアを持っていて」、ネイマール、スアレス、メッシの3トップの破壊力を最大限に活かす強靭なチームを作りあげた。ペップに「過去15、20年間のヨーロッパにおいて最強のチーム」と言わしめている。
第1戦のハードワークとプレッシングは、どこかペップ・バルサを彷彿とさせたが、それでもバルサはエンリケによって新たなアイデンティティを獲得したと言えるだろう。それはペップ・バルサの凋落とも取れるのかもしれない。チャビは、試合中はウォームアップを続けて、75分にイニエスタと代わって途中投入されている。
しかし試合後にバイエルンのルンメニゲ会長が「おそらく世界最強であろうチーム」と口にしたように、エンリケの「アイデア」でバルサは、やはり「違った」強さを手に入れた。遺伝子を組み替えたような印象がある。そしてペップ・バイエルンを破って、6月にベルリンで行われる決勝への進出を決めた。
イニエスタは言う。
「後半にバイエルンは良くなったけど、僕達がファイナルに辿り着いたという事実は祝福されて然るべきものだろう。僕達は自分たちが望んだところにいるけど、喜んでばかりもいられない。タイトルを獲りたいんだ。挑戦して優勝を勝ち取るつもりだよ」
FCバルセロナの新たな挑戦が始まる。
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