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「過去20年間で最強のチーム」。ペップの面影をペップからの勝利で断ち切ったバルセロナ

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「我々はこの準決勝を既にバルセロナで落としていた」

 圧倒的な個のコンビネーションで、バルセロナはアウェイ・ゴールを奪う。バイエルンは再び4点を奪わなくてはならなくなった。ラキティッチはDFラインにまでプレスを掛けに行き、マスチェラーノはミュラーへの縦パスを潰す。

 エンリケが、その「アイデア」で作りあげたバルサは一歩バイエルンを上回り続けた。リードの大きさもあって、上回るのは一歩で良かった。ラキティッチは「初戦のおかげで、僕達にとって全てはほんの少し簡単だった」と言う。

 そして29分、ロングボールをメッシが反らして、スアレスが最終ラインの裏へと抜け出す。スアレスの折り返しを、再びネイマールがボールをゴールに突き刺した。

 これでバイエルンには5ゴールが必要になった。残りの60分間で5ゴールを奪う。不可能に近かった。ペップは「我々はこの準決勝を既にバルセロナで落としていた」と言葉を残している。

 後半に入るとバイエルンは、59分にレヴァンドフスキ、74分にミュラーと追い縋る。しかしそこまでだった。2ndレグは3-2での勝利となったが、2戦合計のスコアは3-5となり、準決勝で敗退となった。既に先月行われた準々決勝のポルト戦で奇跡は起きていて、そう頻繁に僥倖はめぐって来ない。

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