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「過去20年間で最強のチーム」。ペップの面影をペップからの勝利で断ち切ったバルセロナ

チャンピオンズリーグ(CL)決勝への扉を最初に開いたのはバルセロナだった。かつて圧倒的な強さで欧州を制したペップ・グアルディオラ監督の面影を引きずり続けたが、当の本人を相手に勝利を挙げることで完全に断ち切った。

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「監督も違ったアイデアを持っている」

「過去20年間で最強のチーム」。ペップの面影をペップからの勝利で断ち切ったバルセロナ
イヴァン・ラキティッチ【写真:Getty Images】

 奇跡は毎月のようには起こらない。試合後にラームは「僕達は奇跡を信じたよ。だけど起こすことが出来なかった」と言葉を残した。2015年5月12日、欧州チャンピオンズリーグ準決勝2ndレグ、バイエルン・ミュンヘンはホームにFCバルセロナを迎える。

 1stレグを0-3で落としていたバイエルンは、6月にベルリンで行われる決勝へ勝ち上がるには、4点を奪う必要があった。対照的に、試合開始から既に3点のリードがあるバルセロナは無理をする必要はない。

 全員が自陣に戻る。引いたバルサを、バイエルンが崩しに掛かる。少し奇妙な光景だった。しかし、とうにバルサの監督はペップ・グアルディオラではない。ルイス・エンリケなのだ。

 ラキティッチは言う。

「僕達の監督は、僕達にとって本当に大切な存在だよ。確かにね。どんな監督も違ったアイデアを持っていて、彼(エンリケ)もまたそうだ」

 7分、CKからベナティアがヘッドで先制点を奪う。大逆転劇を演じたポルト戦を彷彿とさせる一撃に、アリアンツ・アレナは湧いた。束の間だった。15分、ネイマールからパスを受けたメッシが、スアレスにスルーパスを通す。スアレスは左に折り返して、再び走り込んだネイマールが難なく決めた。

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