代表チームの生存競争を活性化させる若手の存在
一方、プラチナ世代より若い植田直通(鹿島)、岩波拓也(神戸)、浅野らリオ世代の面々にとっては、今回は代表定着への絶好のチャンス。
3人の中でクラブで完全にレギュラーに定着しているのは目下、岩波1人だが、植田には頭抜けた身体能力と1月のアジアカップ(オーストラリア)に帯同した経験、浅野にはタテへの推進力とゴール前の爆発力という武器がある。
若い選手というのは短期間で大化けする可能性もゼロではないだけに、まずはそれぞれの武器を指揮官にしっかりアピールすることが先決だ。それが生き残りへの第一歩と言える。
植田と岩波が定着を狙うセンターバックのポジションには、ブラジル大会経験者の森重真人(FC東京)や岡田武史監督時代からA代表経験のある槙野智章(浦和)らベテランはいる。
が、彼らと言えども世界トップFWを完封できるとは言い切れないだけに、U-17世代から世界を経験してきた植田と岩波への期待は非常に大きい。浅野が競争に身を投じるFWのポジションにしても、似たタイプといえるのは永井謙佑(名古屋)、武藤くらい。独自性を出せる可能性は必ずあるはずだ。
「代表合宿は自分が成長できるいい機会。岩波もいるし、みんなで争ってレベルアップしていけるといい」と植田が言うように、彼ら20歳そこそこの選手がいい刺激をもたらしてくれれば、日本代表の生存競争も一段と激化するし、選手層も厚くなる。ハリルホジッチ監督もそういう前向きな変化を強く求めているに違いない。
合宿開始に先駆けて11日にメディアの取材に応じる指揮官の発言も含め、今回のチームの動向、若手の一挙手一投足から目が離せない。
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