Jリーグで華々しい活躍を見せるプラチナ世代
6月16日のシンガポール戦(埼玉)からスタートする2018年ロシアW杯アジア2次予選。ヴァイッド・ハリルホジッチ新監督率いる新生・日本代表初の公式戦となるこの一戦を控え、12・13日には国内組のみの代表候補合宿が千葉県内で行われる。
そのメンバー28人はすでに発表されているが、2014年ブラジルW杯以来の復帰となる32歳の大久保嘉人(川崎)からリオデジャネイロ五輪世代の20歳の浅野拓磨(広島)まで年齢層は非常に幅広い。
大久保や今野泰幸(G大阪)らベテラン勢にしてみれば、3年後のロシア大会まで十分やれるところをアピールしなければならないし、20代前半の若い世代はより大きなインパクトを残して存在価値を高める必要がある。それぞれにとって重要なチャンスなのは間違いない。
そんな中、やはり最も注目すべきなのが、今季Jリーグで華々しい活躍を見せている宇佐美貴史(G大阪)ら92年生まれのプラチナ世代だろう。現時点でのJ1得点ランキングを見ると、宇佐美が9点でトップ、武藤嘉紀(FC東京)が8点で大久保、豊田陽平(鳥栖)と並んで2位と絶好調をキープ。
10日のJ1では2人とも得点はなかったものの、宇佐美は持ち前の豪快なドリブル突破、武藤は球離れを速くしながら空いたスペースに飛び込む動きを随所に披露。完全にチームの攻撃の中心に君臨していた。
ハリルホジッチ監督が視察した10日の鹿島アントラーズ戦後、武藤は「点を取れない時間帯もあるけど、そういう時こそ、少しでも守備陣の助けになるプレスに行くようにしている。そういう仕事をやっていれば最後に必ず得点チャンスが回ってくる」と攻守両面に関わるのをモットーとしている選手らしいコメントを口にしていた。
その言葉通り、彼の攻守の切り替えの速さ、ボールを奪ってからのゴールに向かう迫力とスピードは抜きんでていた。最近の急成長ぶりをボスニア人指揮官もしっかりと脳裏に刻み込んだだろう。