チームのパフォーマンスに影響を与えた好プレー
プレーの違いは見た目にも明らかだった。ジェノアに1-3、ナポリに0-3と完敗を喫するチームの中で良くも悪くも目立つ存在ではなかったここ2試合。しかし、この日はその表情がカメラに抜かれるシーンが何度もあった。
まず13分、アントネッリのパスに抜け出した本田がシュートを放つ。これはGKデ・サンクティスに防がれたものの、こういった決定的なシーンすら久々に感じるものだった。その後も積極的な姿勢でチームの攻撃に絡んでいく背番号10の姿が。
そして40分、カウンターから右サイドをドリブルで攻め上がると、右足でファン・ヒンケルの今季初ゴールをアシスト。59分にはショートコーナーの流れからデストロのゴールをお膳立て。62分にはゴールにこそならなかったものの、ボナベントゥーラのシュートを引き出すクロスを放っている。
データサイト『Who Scored.com』は、本田の活躍に8.1の高評価を与え、マン・オブ・ザ・マッチに選出。これもヴェローナ戦以来のこと。
アジアカップからの復帰以降、チームの低迷とともにサポートに徹するあまり消極的なプレーとなり、ほとんど試合から消える存在と化していたが、敗戦濃厚のこの一戦で全得点に絡んだ。
この本田の変化がチームに影響を与え、個人技ではなく組織としてプレーしたチームが本田のパフォーマンスを引き出した。複数のセンスが絡むチャンスメイクや、本田が右サイドを駆け抜けるシーンにはノスタルジーすら感じるものだった。
しかし、今季のミランは好パフォーマンスが持続しないもの課題の1つ。サッスオーロ(アウェイ)、トリノ(ホーム)、アタランタ(アウェイ)と続く残り3戦、この戦いを継続することを最低ラインとしなければならない。
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