「Dream Chaser」の挑戦は続く
5.夢追い人
おそらく多くの人が抱くデパイの第一印象は上半身を覆うほどの見事なタトゥーだろう。先に紹介した左腕のメッセージ以外にも、しっかりと意味のある言葉を自身の体に刻んでいる。
特に目を引くのは胸に彫られた「Dream Chaser」という文字だ。直訳で「夢追い人」となるが、これは彼のスローガンになっている。
以前デパイは「僕は鏡を見るとき、自分がまだたどり着きたい場所に到達していないことを意識してモチベーションを得るんだ」と、このタトゥーの意味について語っている。
ユナイテッド移籍発表の半日ほど前、自身のツイッターに「僕はいつも言っている。夢は、信じれば、叶う。僕はPSVとともにエールディビジ王者になることを夢見ていたし、信じていた。そして到達したんだ」と書き込んだ。
移籍は決まってしまったが、『PSV TV』で「すべては良い思い出だ。血も汗も涙も流したこともあるけど、人として、選手として育った。素晴らしい出来事ばかりだよ」と語った通り、自分を育ててくれたクラブへの感謝も忘れない。
ここまでのキャリアは順調そのものだ。大きな負傷もなく、毎年新たなステップを経験し、その成長スピードはとどまるところを知らない。
常に頂点を見据える野心家は、“夢の劇場”と言われるオールド・トラフォードでも新たな夢を見て、叶うと信じ、世界最高の選手になるまで走り続けるだろう。
【了】