ブーイングを受けた本田。攻撃での奮起はなるか
前半戦のローマ戦では、攻守への切り替えという部分で質の高いプレーができていた。守備でサイドをカバーし、サイドバックから前線へのパスを切るとともにイーブンボールもよく拾えていた。
その一方で攻撃に回れば、スペースを巧みに突くだけではなくミドルシュートでも枠を狙った。ノーゴールに終わったのだが、当時の地元紙の間では「(アジア杯で)本田の抜ける戦術上の穴をどうやって埋めるのか」ということがちょっとした話題となっていた。今回も戦術上の役割は同様だろう。
ただ、前回のコラムにも書かせていただいたが、戦術的なタスクの消化のみならず個人としてのクオリティも本田には要求されることになる。ボールのないところで地道に仕事をこなしても、ボールを持ったところでの目立つミスをすればブーイングに結びつく。
ジェノア戦で交代させられた時、ブーイングの中を本田はあえてスタンドに拍手し、さらなる怒号を呼んでいたが果たしてサン・シーロの雰囲気はどうなるのだろうか。ミスをせず、それでいて点に絡めるか。そこを怠たればまたブーイングを受けるのは必至のため、奮起に期待したい。
ミランはもはや何の目標も無くなってしまったが「選手たちのモチベーションは高い。ミランのユニフォームを着るだけで、本来は気持ちが入るものだ」とインザーギ監督は力説していた。果たして本田は、ピッチでどれだけ気持ちを見せられることが出来るか。
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