ミーティングが繰り返された3月の代表合宿
ヴァイッド・ハリルホジッチ新監督率いる新生・日本代表の初陣となった3月のチュニジア(大分)、ウズベキスタン(東京)2連戦は、日本代表選手たちの意識改革を促す意味で非常に有効だった。
「単純にミーティングが多いだけでも『早くいいチームを作りたいんだな』とすごく感じた。そういう意欲を感じさせてくれる監督ですね。合宿の9日間は刺激的で、これからが楽しみになりました」と森重真人は神妙な面持ちでコメントしていた。同じFC東京の権田修一も「監督がデータを含めて多くのことを示してくるのは勝つために必要だと思っているから。それは間違いないし、僕ら選手も信じてやるしかない」と言うように、多くの選手たちが意欲を掻き立てられた様子だ。
そこで、まずは9日間の合宿から、ハリルホジッチ監督のアプローチの流れを振り返ってみたい。大分集合初日の3月23日は報道陣が大挙して押し寄せる中の初練習だったが、ランニングをわずか25分行っただけ。拍子抜けするほどアッサリ終了した。「昨日試合をしている選手もいますし、長い距離移動してきた選手もいるんで、今日の練習に関しては、僕はそんなにビックリはしてないですけど」と長谷部誠(フランクフルト)は至って冷静だったが、新指揮官のアプローチはもちろんこの後が本番だった。同日夜から宿舎ではミーティングが繰り返され、1次リーグ敗退を強いられた2014年ブラジルワールドカップや8強止まりに終わった2015年アジアカップ(オーストラリア)の攻守両面の問題点を抽出。映像や図表などを使いながら具体的に示して、選手に強く改善を求めたのだ。