ミキッチ対策としての永井のコンバート。西野監督も絶賛
国内組だけで今月12日と13日に行われる日本代表候補合宿(千葉県内)に参加するメンバーが、7日に日本サッカー協会から発表された。
J1の得点ランキングで首位に立つ宇佐美貴史(ガンバ大阪)や、昨夏のW杯ブラジル大会以来の復帰を果たしたFW大久保嘉人(川崎フロンターレ)をはじめとする総勢28人。そのなかには、最近になって所属チームでのポジションを大きく変えた選手がいる。
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の初陣となった3月27日のチュニジア代表戦(大分銀行ドーム)で先発。約5年ぶりとなる代表キャップを獲得した永井謙佑(名古屋グランパス)は4月12日のサンフレッチェ広島との第5節から、主戦場をそれまでの左サイドハーフから左のウイングバックへ一列下げている。
きっかけはサンフレッチェ戦を前にして、グランパスを率いる西野朗監督が決断したシステム変更にある。それまでの「4‐2‐3‐1」から「3‐6‐1」へ移行させた指揮官は、守備力をも求められるポジションを永井に託した上でこんなミッションを出した。
「ミキッチを抑えてほしい」
開幕から4試合を終えたグランパスは、唯一の未勝利で最下位に沈んでいた。西野監督はサンフレッチェに対してミラーゲームで臨み、豊富な運動量でチャンスメーカー役を演じるミキッチの対面に群を抜くスピードを武器する永井を配置。その脅威を封印する戦い方を講じたわけだ。
結果は2対0の完勝。最終ラインに吸収されなる時間帯が大半を占めるなかで、永井は無尽蔵のスタミナでミキッチとマッチアップ。前半のアディショナルタイムには自陣から仕掛けたカウンターの推進役も担い、FW川又堅碁の先制ゴールをアシストした。
試合後の公式会見で、西野監督は永井への賛辞を惜しまなかった。
「彼でなければ、今日のような対策は上手く機能しなかった」