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本田圭佑 10年前

自ら選んだ“ミランの10番”。困難な道を敢えて歩む本田圭佑。来季の主力定着へ、改善すべきは“攻撃での存在感”

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

来季に向けて信頼を勝ち取るために

自ら選んだ“ミランの10番”。困難な道を敢えて歩む本田圭佑。来季の主力定着へ、改善すべきは“攻撃での存在感”
「守備に忙殺」という評価は来季にどう影響するだろうか【写真:Getty Images】

 3日のナポリ戦でスソは故障欠場。本田はチェルチを差し置き前半に送り出されたが、それは規律とモチベーションの高さに一定の評価が与えられていることの証だ。そして試合では開始1分と経たずにデ・シーリオが退場したチームの中にあってフル出場し、献身的に守備をこなした。

「守備への忙殺だけに終わり、攻撃では存在感なし」という見方もできるが、ひとり少ない状況で相手はナポリ、しかも対面には前半インシーニェ、途中からメルテンスと突破力の卓越した選手がいた。この上でかつ急増のSBに回ったポーリの負担を減らし、体力が落ちるまで70分間持たせたことはそれなりに評価されるべきだ。

 ただ、中盤の選手として要求されるクオリティという点ではどうだったのか。パス交換からスペースを上手くつき前線に出た動きなど、前半は光るチャンスメイクも何度か見せてはいた。

 だが、相手のプレスでスペースが詰まっているところにパスを出してロストを招いたり、味方がせっかくつないだボールをロストしたりというシーンも散見された。全体で連係の意識は低いが、そういうミスを減らさないと味方もパスを付けにくくなるだろう。

 右サイドの競争相手として台頭したスソはボールコントロールが安定してる。攻撃にかかる人数が少ないイタリアでは、攻撃の選手がボールを失わないということも評価の基準になる。体をぶつけられてのボールロストはだいぶ減ったが、来季につなぐためにはそのあたりでも信頼を勝ち取らなければならない。

【了】

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