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【潜入レポート】カタール、労働者酷使は本当か? W杯スタジアム建設労働者に与えられる驚きの環境

text by 森本高史 photo by Takashi Morimoto

プールにジャグジーも。大手外資の駐在員以上の好待遇

【潜入レポート】カタール、労働者酷使は本当か? W杯スタジアム建設労働者に与えられる驚きの環境
労働者が暮らす複合施設。プールやフィットネスジムなどを揃える【写真:森本高史】

 最大のサプライズは、この複合施設の充実具合だ。縦10メートル、横30メートルほどのスイミングプールがある。フィットネスジムも存在し、最新の機器が多数揃えてある。

 なんと、ジャグジー(噴流式の風呂。数か所の吹き出し口から気泡を発生させる噴流式の風呂)もある。

「組織委員会は、労働者の環境を最大限にケアしております。建設工事の仕事は、限りなくハードですから」とステファン氏は力説する。

 外資の大企業の駐在員の住居と遜色ない。いや、それ以上といっても過言ではない。以下のような充実すぎるサービスが用意されている。

(1)家賃・光熱費無料(建設会社が全額負担)
(2)3食無料提供(各棟に食堂が完備。インド系が大半占めることもありカレーが多い)
(3)医師が住居施設に常駐(インド系の医師で言葉の問題なし)
(4)カウンセラー常駐(異国での生活の悩み相談。メンタルケア)
(5)サッカー、クリケット大会開催
(6)バーベキューパーティー開催
(7)清潔コンテスト(最も部屋を綺麗にした人に賞金!)
(8)コンビニエンスストア完備

 もちろん、住居から建設現場までは無料バスが運行されている。基本的に建設労働者は、ナイトクラブ(高級ホテルに存在)に繰り出したり、派手な生活を望まない限り、お金をほとんど使うことはない。給料の大半を母国の家族に送金できる。

 貧困国から安い労働者を連れてきて、まるで奴隷のごとくこき使う、という悪しきイメージは微塵たりとも見られない。繰り返すが、大手外資の駐在員以上の好待遇である。

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